SURPASS-5
インスリングラルギン治療を行っても血糖管理不良の糖尿病患者を対象に
マンジャロを上乗せした場合の安全性や有効性を知るための臨床試験。
目的
成人2型糖尿病患者を対象にメトホルミン併用の有無に関わらず、インスリングラルギン漸増投与への追加療法として、
マンジャロの3用量(5mg、10mg、15mg)の有効性および安全性をプラセボと比較した40週間の無作為化二重盲検試験
方法
インスリングラルギンにマンジャロ 5mg、10mg、15mgの週1回投与を40週間にわたって上乗せする群〔5mg群(116例)、
10mg群(119例)、15mg(120例)〕またはプラセボを上乗せするプラセボ群(120例)に1:1:1:1でランダムに割り付けた。
マンジャロは2.5mg/週で開始し、割り当てられた用量に達するまで4週間ごとに2.5mgずつ増量した。
インスリングラルギンは1日1回投与し、5〜40週に行う自己血糖測定により得られた血糖値に応じて用量を調節した
(目標空腹時血糖値100mg/dL未満)。
結果
40週時点におけるベースラインからのHbA1cの変化量は
5mg群は −2.11%
プラセボ群と比べて有意に低下していた
(プラセボ群との差−1.24%ポイント、P<0.001)
10mg群が −2.40%
15mg群が −2.34%
プラセボ群の−0.86%と比べいずれも有意に低下していた
(プラセボ群との差、それぞれ−1.53%、−1.47%、全てP<0.001、)
体重の変化量は
5mg群が −5.4kg、10mg群が −7.5kg、15mg群が −8.8kg
いずれもプラセボ群の+1.6kgと比べて有意に減少していた
(プラセボ群との差、それぞれ−7.1kg、−9.1kg、−10.5 mg、全てP<0.001)。
空腹時血糖の変化量は、
5mg群が −58.2mg/dL、10mg群が −64.0mg/dL、15mg群が −62.6mg/dL
いずれもプラセボ群の−39.2mg/dLと比べて有意に低下していた
(プラセボ群との差、それぞれ−19.0mg/dL、−24.9mg/dL、−23.4mg/dL、全てP<0.001)
マンジャロの両試験における全体的な安全性プロファイルは、
これまでに確立されたGLP1製剤と同様であり、消化器系の副作用が最も多く報告された有害事象であった。
HbA1cが7%未満:87.3%(5mg)、89.6%(10mg)、84.7%(15mg)、34.5%(プラセボ)
マンジャロ最高用量群(15mg)の62.4%は
糖尿病ではない人のレベルである5.7%未満のHbA1cに到達。
これは糖尿病患者さんの3分の2が、ほぼ健常者と変わらないという状態に戻ることを意味した。